【特集】超省エネ住宅「エコスカイハウス」とは?

横浜市に次世代の超省エネ住宅「エコスカイハウス」が誕生しました。
エコチャレの本特集では、この「エコスカイハウス」をご紹介します。

化石燃料によるエネルギー消費を減らしながらも、快適にエコライフをおくるための住環境とはどういうものなのでしょうか?

「エコスカイハウス」から未来のエコライフの姿をイメージしましょう。

エコスカイハウスとは?

三菱重工業グループの菱重エステート株式会社等菱興グループ各社及びOM計画株式会社と共同で、2008年度4月よりスタートした「新技術をコアとする超省エネ住宅技術」を実証試験する施設の名称です。

省エネ技術開発として、昨年度より各種のシュミレーションを行い、超省エネ技術として有効と判断した「太陽光発電+パッシブソーラーハイブリッド技術」、「高蓄熱技術」、「ソーラーベンチレーション技術」の3つの技術開発とそれら技術のシステム化及び実用化を目指します。また将来の期待される技術として、蓄電池システム(三菱重工製)の実証試験も平行して実施し、エネルギー自立住宅への展開を図ります。

97%以上のエネルギーを削減できる超省エネ住宅とは?

家庭で消費するエネルギーは次のようになっています。

「エコスカイハウス」では、このエネルギーを97%以上も削減できるといいます。

超省エネを実現するためのコア技術

1.太陽電池とパッシブソーラーのハイブリッドシステム

電力を太陽光から作る太陽光発電は省エネ住宅にはかかせないもの。

一方、太陽から得られるのは「光」だけではありません。太陽からの「熱」も有効利用することができます。

ただ、光を取り込む太陽電池と熱を取り込むパッシブソーラーシステムは同じひとつの屋根を占有しあいますので、両方を屋根につけるということが難しいという問題がありました。

エコスカイハウスでは、これら太陽電池とパッシブソーラーシステムを一体化した「ハイブリッドシステム」を開発し、採用しています。

最表面に太陽電池を敷き、太陽電池と屋根との間に空気の流路を設け、ここを流れる空気に太陽電池裏側からの発散熱量を伝達し、温風を作りだすことができます。

このことで光と熱の両方を採り入れることができます。

さらに、ハイブリッドシステムにすることで、太陽電池表面の温度上昇を防ぎ、太陽電池の発電効率の低下を防ぐことができるという効果も得ることができます。

タンデム型太陽電池+パッシブソーラーの組み合わせにより、太陽電池が受ける熱エネルギー部分を回収し、従来のOM技術を用いて、暖房・給湯エネルギーに活用することで、太陽電池で50% パッシブソーラーで16%の省エネ効果が得られるというのです。

2.ヒートポンプ給湯器

「ヒートポンプ」技術も省エネ住宅の重要な設備のひとつです。

ヒートポンプとは、冷媒を圧縮したり膨張させることで大気中の熱を吸収したり、放熱するしくみのことで、少ない電気エネルギーで、多量の熱を作ることができます。

「エコスカイハウス」では、三菱重工製の最新式高効率ヒートポンプ給湯・冷暖房機を採用。

自然エネルギーで賄えない給湯と冷暖房の補助熱源として使用することで、13%の省エネ効果を生むことができるといいます。

3.高断熱構造

いくらエネルギーを自然エネルギーから得たり、省エネ技術で作り出したとしても、住宅の断熱性能が低いと、「ぬかにくぎ」です。熱を住宅内で有効利用するために断熱が必要です。

「エコスカイハウス」では、屋根材やサッシにリーズナブルな価格でかつ断熱性能の高い製品を採用し、次世代省エネルギー基準を確保しています。

これによって、12%の省エネ効果を生むことができます。

4.ソーラーベンチレーション

夏場や冬場は太陽電池やヒートポンプエアコンで住宅内に快適な温度環境を作りだし、断熱構造で維持することで省エネライフを実現することができますが、春や秋の中間期にはどのようにすればよいのでしょうか?

「エコスカイハウス」では、屋根頂部にガラス製ソーラーベンチレーションボックスを採用。ソーラーベンチレーションボックスとは、いわば自然換気のしくみです。

太陽熱で室内が暖められると、暖められた空気は屋根のソーラーベンチレーションボックスから、外に廃棄され、同時に室内側には窓やソーラーベンチレーションを通じ外気が誘いこまれるというしくみです。

ソーラーベンチレーションによる省エネ効果は4.1%と試算されています。

5.地熱利用の蓄熱システム

住宅内を快適な温度環境に保ち、さらに省エネを実現するためには、自然の環境を有効利用するのが一番です。住宅には太陽熱など屋根からの熱を受けますが、もうひとつ、地下からの熱も有効活用することができます。

家屋の地下部分の地中熱温度は大気温度と比べると年中安定しています。大気温度と比べると地熱温度は、夏場の昼間は低く、冬場の夜間は高くなります。

夏場の暑いときには地熱からの冷気を、冬場の寒いときには地熱からの暖気を得ることができれば、省エネになります。

「エコスカイハウス」では、床下に有機・無機の潜熱蓄熱材を設置して、冬季はパッシブソーラーの熱、夏季は地熱・ヒートポンプ給湯器冷排熱を蓄熱し、冷暖房エネルギーに活用することで、3%の省エネ効果を得ることができます。

6.その他にもエコ住宅の要素技術が満載

「エコスカイハウス」ではこのほかにも、風力発電機、リチウムイオン蓄電池、外壁ブラインド、屋根・壁面緑化、雨水利用散水システム、電気自動車充電ソケットなど、多くの設備が作られ、実証実験を行うことになっています。

エコスカイハウスから見える未来の超省エネ住宅

「エコスカイハウス」はエコ技術が盛りだくさんですが、まだまだ実証研究中。

現在「エコスカイハウス」には実際に四人家族のご家庭がお住みなって1年間発電量やエネルギー消費量などのデータをとる実証実験が行われています。

今後どんな結果が得られるのか、実際に私たちがエコハウスを建てるときにどんなメリットが得られるのか、まだまだこれからたくさんの情報が得られそうです。

詳しくは「エコスカイハウスプロジェクト」をご覧くださいね。